アパレルのオンライン接客が熱い!事例や導入効果を紹介
新型コロナウイルス流行をきっかけに、アパレル・ファッション業界でのオンライン接客の導入が拡大しています。
オンライン接客は、ビデオ通話などを用いてスタッフ商品を見せながら接客や商品案内、コーディネイト提案をおこなうサービスです。お客様は家にいながら、実店舗と同じようなショッピング体験をECサイトでも受けられるため、ニューノーマル時代の新しい接客スタイルとして注目を集めています。
この記事では、アパレル・ファッション業界におけるオンライン接客導入のメリットや、実際にオンライン接客をスタートしているブランド/ショップの事例について詳しくご紹介していきます。
もくじ
アパレルブランドがオンライン接客を行うメリット
1. ECの客単価をアップできる
オンライン接客では、店舗同様に販売員が商品を見せながら接客やコーディネイト提案をおこなえます。
Tシャツだけを買うつもりでサイトを訪れていたとしても、一緒にコーディネイトできるカーディガンやジャケットが見つかれば、合わせ買いをしてくれます。多くのECサイトにもレコメンド機能がついていますが、実際にアイテムを合わせてみないとなかなか購買意欲を掻き立てられません。
リアル店舗でのお買い物の楽しさは、実際の商品を手に取って組み合わせてみたり、プロのスタイリストが提案してくれるコーディネイトによって、思いもよらなかった新しいファッションアイテムに出会えること。このような出会いはチャットボットの応答やWebのレコメンド機能では、なかなか実現することができません。
オンライン接客ではリアル店舗を訪れたときと同じような顧客体験を提供できるため、クロスセルによる顧客単価の向上を促進することができます。
関連記事:【オンライン接客で顧客単価が5倍に】「ブランド体験」の追求で顧客ロイヤリティ向上を実現
2. ECのコンバージョン率を向上できる
ECでショッピングカートから離脱してしまう原因のひとつに、最終購入を決定するうえで商品に対しての疑問や不安が残ってしまっているケースが挙げられます。
初めて購入するブランドの場合、少し高額なアイテムの場合、自分に本当に似合うかどうか自信がない場合・・・など、お客様が購入に踏み切れない理由はたくさんあります。オンライン接客があれば、サイト上に掲載された写真やテキストだけでは伝わらない商品の色味や質感なども確認できたり、プロのスタイリストにアドバイスを求めることができます。
またECサイトでは、お客様が求めている情報の不足や分かりにくさが原因で、お客様が途中で離脱してしまうケースが多々あります。サイト上にオンライン接客機能が導入されていれば、お客様はその場で接客スタッフに質問を投げかけ、購入を決断する上での不安を解消することができます。
そのためオンライン接客は、サイト離脱率の低減はもとより、ウェブサイト上の成約率の向上やECサイトのコンバージョン率の向上にも役立つのです。
関連記事:オンライン接客で購入率50%、客単価1割増を実現。 高い接客力をWebでも活かす。
3. 顧客のファン化・リピート率アップに繋がる
顔が見えるコミュニケーションは、人と人との信頼関係や安心感を構築するのにとても効果的です。同じ商品でも「あの人から買いたい」「あの人にまた相談をしたい」と思うことは、購買プロセスにおいてよくあることで、アパレルブランドにとっては、大変重要なポイントですよね。
オンライン接客は店舗での接客に比べ、自分だけのパーソナルな空間で1対1で対応をしてくれたという特別感を感じやすく、顧客満足度やブランドロイヤリティの向上に大きく寄与します。オンラインでも顔の見える接客でお客様をもてなすことで、ブランドファンを増やしリピート率向上につなげることができます。
4. スタッフの対応効率を上げられる
アパレルショップのオンライン化が進んではいるものの、従来の店舗が完全になくなる訳ではありません。
オンライン接客はまったく新しいツールではなく、今ある人材リソース(店舗スタッフ)を活用しながら新しい販売チャネルを広げることができます。さらに、これまでは特定の店舗に訪れたお客さんにしかスタッフは接客を行うことができませんでしたが、オンライン接客であれば全国のお客さんにサービスを提供することが可能です。
店舗接客の合間にオンライン接客に対応したり、訪問客が少ない店舗のスタッフ中心にオンライン接客を行うなど、人材配置の効率化を図ることもできるのです。
5. 新規出店のコストとリスクを抑えられる
これまで商圏を広げるには、新しい土地における店舗の新規出店が不可欠でした。しかし店舗出店や開業には、ある程度の投資が必要でリスクも伴います。
これからの時代は、オンライン接客を活用することで、全国のお客様に販売を強化できます。小さな事務所に、倉庫と簡易スタジオを用意すれば、バーチャルストアがオープンできるのです。売上をあげている主要店舗に絞り込み、そこから全国のお客さまにオンライン接客で対応を行うのも一つの手です。
ECをメインで運営している場合もバーチャル店舗を持ちやすくなり、またテストマーケティングにもオンライン接客を活用すると良いでしょう。
関連記事:オンライン接客で新規顧客層が拡大。新たな架け橋と変革の契機を創る
アパレル業界のオンライン接客事例
アパレルブランドでも、オンライン接客を活用したショップスタッフによるオンラインコーディネイトサービスが広がりを見せています。
お家からもスタッフに相談しながらお買い物ができ、さらに自宅のファッションアイテムと合わせた似合わせコーディネイトなども提案してもらえるので、消費者からの人気も高く、新たな販売チャネルのひとつとしてじわじわと広がってきています。
ベイクルーズ
JOURNAL STANDARD、IENA、Spick and Spanなど、多くの人気ブランドを展開するベイクルーズでは、5月27日〜6月2日までの期間限定イベントとして、パーソナルスタイリングサービスを行いました。
ショップスタッフだけでなく、人気ブランドのバイヤーやインフルエンサーにも直接コーディネイト相談ができるイベントとして話題となりました。
23区
幅広い世代の女性から支持を集めるファッションブランド「23区」でも、2020年7月から「パーソナルスタイリング予約サービス」をスタートしています。
オンライン接客では、フラグシップ店である銀座店でショッピングをすることができます。銀座店には23区ブランドのアイテムがフルラインナップで揃っており、ふだんはなかなか銀座店まで足を運べない人も利用できるのが嬉しいですね。気になるアイテムの着心地・素材・サイズ感を確認できるほか、ショップスタイリストにコーディネイト相談も可能です。
組曲kids
23区と同じオンワードグループのキッズブランド・組曲kidsでもこども服の「パーソナルスタイリングサービス」を提供しています。
自宅用からギフトセレクト、普段着からフォーマル服まで、子供服の販売歴10年以上のスタイリストに相談しながらお買い物ができます。子育て・育児中はなかなか外出できなかったり、せっかくショッピングに出かけてもゆっくりと買い物できないことも多いので、おうちから家事の合間に相談できるのは嬉しいですね。
まさに場所を問わずに楽しめるニューノーマルなお買い物の形を提供しています。
MOTHER HOUSE(マザーハウス)
途上国の素材と職人の手仕事から生まれたバッグ・ジュエリー・アパレル用品を手掛けるマザーハウスでは、ECサイト内で「お店とテレビでんわ」というオンライン接客サービスを提供しています。同社では、商品に込められた想いやストーリーを伝えるのにオンライン接客は最適な手段として、リアル店舗同様に力を入れています。
マザーハウスは、、購入後のアフターサポートにもオンライン接客を利用しており、購入後のケアアドバイスや修理見積もりもビデオ通話を使ってオンラインで受け付けています。
関連記事:インタビュー「オンライン接客を通して、商品ストーリーとブランド理念を伝える|マザーハウス様」
Curensology(カレンソロジー)
ファッション通販サイト「.st(ドットエスティ)」内のブランドCurensology(カレンソロジー)では、「すべてのお客様にショップのお買い物体験を」というコンセプトのもとオンライン接客サービスを提供しています。
通販サイトでの購入を検討しているけど、写真だけだと分からないディテールを確認したい場合などに、スタイリストからビデオ通話で商品説明を受けることができます。
サービスサイトでは、各スタイリストのコーディネイト一覧を見られるようになっており、自分の好みに合ったスタイリストを選んで予約できるというのも、オンライン接客ならではの楽しさですね。
ミズノ
スポーツウェア・スポーツシューズメーカーのミズノでも、商品選びの相談をオンライン接客で受け付けています。スポーツ用品のような専門商品は、サイズや型・種類などが豊富なため、どれが一番自分に適しているのか、知識が豊富なスタッフに聞きながら商品を選びたいですよね。
MIZUNO SHOP オンライン接客では、野球やソフトボールのグラフ・バッド・シューズ選びの相談、ゴルフクラブ・シューズに関する相談を無料で受け付けています。まずはオンライン相談で、およそのメーカーや種類を絞り込んでからショップ訪問すれば、買い物時間も短縮できて便利です。
ANAYI(アナイ)
女性ファッションブランドの「ANAYI(アナイ)」でも、オフィシャル通販サイト内でオンライン接客サービスを展開しています。
ANAYIのファッションアドバイザーに、お家からゆっくりとコーディネイト提案を受けられます。家の近くにブランドショップがない場合でも、店舗のスタッフに直接相談できるのはとても便利。
このように、アパレル業界でのオンライン接客サービスは、今後もどんどん広がっていくでしょう。
YELLO
レディースシューズブランドの「YELLO」もオンラインストアから、オンライン接客(ビデオコンシェルジュサービス)を提供しています。
商品の説明はもちろん、自宅のクローゼットにある洋服とYELLOシューズのコーディネイト提案などもおこなってくれる、嬉しいサービスです。定期的に、ビデオコンシェルジュサービスを通してお買い物をすると使える割引クーポンを配布するなど、実店舗(サロン)・オンラインショップ・オンライン接客をハイブリッドに融合したサービスを展開しています。
オンライン接客が向いている商品/ブランド
高い接客スキルを持っている
オンライン接客でも対面接客同様、一番重要となるのは接客スキルとパフォーマンス力の高さ、お客様への丁寧な対応です。すでに実店舗において接客ノウハウが構築されていれば、オンラインにもそのまま活用することでWeb集客やEC売上の向上に繋がります。
様々なアイテムを扱うブランド/ショップ
アパレルでのオンライン接客の醍醐味は、おうちで体験できるパーソナルスタイリング。そのため、コーディネイト提案でクロスセルを狙える、様々なバリエーションのアイテムを扱うブランドに向いています。複数のブランドを扱うショップなどであれば、ブランドを越えた提案を行うのも良いでしょう。
ハイブランドや高価格帯の商品
オンライン接客は、ECでも店舗と同じように1対1でていねいな対応ができるため、上顧客向けのサービス、ハイブランド向けのサービスにも向いています。
また、ECでは購入決定に踏切りづらい高価格帯の商品なども、オンライン接客で実物を見せながら案内をおこなうことで、安心感を与えられ購入がしやすくなります。
オーダーメイド商品
オーダーメイド商品の相談や打ち合わせなども、オンライン接客を活用することで、お客様が店舗に足を運ぶ回数を減らせたり、サービスの利便性を向上させられます。
オーダーメイド商品は、専門家に相談・質問をしながら進めていきたいため、細かなやりとりをオンライン相談できると便利です。
チャットボットやライブコマースとの違い
チャットボットは、あらかじめ用意したシナリオや返答テンプレートに基づき、自動的に会話を行うプログラムです。そのため、お客様と接客スタッフが相互にリアルタイムにコミュニケーションを行うオンライン接客とは用途が異なります。チャットボットは、FAQ(よくある質問)に対する回答やサポートリンクをあらかじめ用意することで、カスタマーセンターへの問合せ数などを減らせます。一方、お客様の好みやお悩みをヒアリングして総合的に判断して商品を薦めたりコーディネイト提案はできないため、人が介するならではの価値を提供するにはオンライン接客がおすすめです。
ライブコマースは、動画のライブ配信で商品を紹介する販売手法で、同時に不特定多数の人に向けてアプローチします。イメージとしてはテレビ通販に近く、マスに向けて情報発信できるのが魅力です。オンライン接客は1対1のアプローチのため、お客様一人ひとりに丁寧に対応し特別なショッピング時間を過ごしてもらうことが目的です。ライブコマースを行った後にオンライン接客で個別相談に応じるなど、ソリューションを組み合わせることも有効です。
自社の扱う商品特性や顧客層に応じ、最適なソリューションを選ぶと良いでしょう。
オンライン接客のはじめ方
オンライン接客を始めたいけど、導入するのが難しそう・・・と思っている方も多いのではないでしょうか。実は、オンライン接客専用のツールを利用すれば、最短3日程度ですぐに簡単にオンライン接客を始めることも可能です。
『LiveCall(ライブコール)』は予約カレンダーとビデオ通話が一体化しているオンライン接客ツールで、お客様との日程調整など、店舗スタッフの手間をかけない形でオンライン接客を実現できます。お客様の操作も大変シンプルで、サイト上のリンクやバナーをクリックするだけで、予約やビデオ通話を開始できます。また接客中にお客様から購入の意思があれば、その場でカード決済を行うことも可能です。
オンライン接客を始める上で大切なのは、お客様のユーザビリティーを損ねないこと。LiveCallなら、画面上のロゴや背景色などもブランドイメージに合うように変更できるため、シームレスなサイト導線を維持することができます。
合わせてチェック: WWD Japan『オンライン接客で「ライブコール」が選ばれる理由』
まとめ 〜オンライン接客で新しい顧客体験を〜
このようにオンライン接客では、これまでリアル店舗で提供していた接客サービス・お買い物体験を、オンライン上でも提供することができます。
顔が見える接客や柔軟なコーディネイト提案により、ECでのクロスセルやコンバージョンUPなどが期待できます。さらに、店舗スタッフを友好活用することができ、業務効率の改善なども可能です。
アパレル業界では、今後もオンライン接客拡大の流れが続くでしょう。
弊社では、2015年よりオンライン接客ツール「LiveCall(ライブコール)」を提供しており、様々なオンライン接客のノウハウをもっています。オンライン接客の導入を検討している方は、まずはぜひお気軽にお問合せください。
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